STRUCTURE
+ATRASの仕組み
アトラスカーボンに放射性物質を
吸収させる
シンプルな装置。
大量の処理水††から長期にわたりトリチウムを除去するため、
極力シンプルな構造になるよう設計しています。
故障が起きにくいので、連続運転が可能になります。
実際に稼働してからは、アトラスカーボンを定期的に交換するだけ。
ランニングコストも抑えられます。
シンプルな構造と素材で、シンプルに除去。 +ATRASの仕組み
01 アトラスカーボンを トリチウム水*に投入する。
アトラスカーボンの素材は、加工した植物性のナノカーボンと、粉状のケイ石。いずれも国内で安価で安定的に入手することができます。
これらをトリチウム水に投入します。
アトラスカーボン
-
加工したナノカーボン
モミ殻などの炭からできたナノカーボンを加工したもの。トリチウムイオンを吸収します。
-
粉状のケイ石
トリチウムのイオン化を促進します。
02 カラカラと回るケイ石に トリチウム水を噴射し、混ぜる。
固形のケイ石を入れたカゴを回転させながら、トリチウム水を噴射。全体をよく混ぜます。
トリチウムがイオン化される。
固形のケイ石にぶつかることで、トリチウムがイオン化されます。
この方法は、滝の落下によりマイナスイオンが発生する自然現象に学びました。
アトラスカーボンがイオン化されたトリチウムイオンを吸収する。
トリチウムイオンは、アトラスカーボンの内部に吸収されます。
いったん吸収されたトリチウムイオンは3000度で加熱しないと取り出すことができないため、放射能が漏れ出すこともありません。
※株式会社ガブリエルによる想定イメージ図
03 電気分解して アトラスカーボンを沈殿させる。
この水を電気分解すると、トリチウムイオンを吸収したアトラスカーボンが容器の底に溜まります。
04 吸収したトリチウムイオンを アトラスカーボンごと取り除く。
容器の底に溜まっているアトラスカーボンを除去すれば、吸収されているトリチウムイオンも一緒に除去されます。
廃棄物は固体で体積も小さいので、除去が簡単。
廃棄物が少ないことが、+ATRASの特長の一つです。
これら工程を繰り返し行い、除去率を上げていきます。
※+ATRASの試験機
DATA
実験結果データ
上記の工程を1セットとし、実験では2セットを連続で行いました。1セット終了するごとに着実にトリチウムの除去が進み、結果として2セットで34.4%のトリチウムが除去されました。なお、測定はすべて、株式会社 化研に委託しました。
スタート時 | 2セット終了時 | 除去率 |
---|---|---|
1,031Bq/ml | 676Bq/ml | 34.4% |
第三者実証実験結果データ(東京理科大学)
東京理科大学 安藤靜敏教授による第三者実証実験のデータは以下の通りです。上記の実験よりトリチウム濃度の低い水をサンプルに使用していますが、2セットの実施で9.0%のトリチウムが除去されました。 なお、測定はすべて、株式会社 化研に委託しました。
スタート時 | 2セット終了時 | 除去率 |
---|---|---|
366Bq/ml | 333Bq/ml | 9.0% |
最適化実験で目指す、99.9%除去。 そして、大型除去装置の開発へ。
+ATRASを実用化するために、今後、最適化実験を行います。どんな条件下で何回実施すれば最も効率がよくなるか見極め、99.9%のトリチウム除去を目指していきます。
最適化実験が終わると、いよいよ実用化への最後のステップとして、大型機器の開発製造がスタートします。
† トリチウム水とはトリチウム原子を含む水とH2Oの混合水を指します。 †† 処理水とは放射能汚染水に対し多核種除去装置(ALPS)で浄化処理を行った水のことです。
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